ジェームス邸と異人の丘
- 牧野 輝彰
- 8月6日
- 読了時間: 1分
更新日:9月5日
神戸・塩屋の高台に、ジェームス邸という洋館があります。瀟洒なこの建物は、明治期に英国人・アーネスト・W・ジェームスが居を構えたことに由来します。現在は一般公開され、神戸市民や観光客に静かな人気を誇るスポットとなっています。

このあたり一帯は「ジェームス山」と呼ばれ、往時は外国人の住宅街として拓かれました。広い空と海、そして山に囲まれたこの丘は、異国情緒と日本の風景が混ざり合う、不思議な静けさを湛えています。
小さな坂道を上ると、木立の向こうに淡路島が望め、眼下には塩屋の町が広がります。かつての住人たちも、この眺めに心を奪われたに違いありません。
私が今暮らすこの山も、かつて旅人だった人々の交差点だったのだと思うと、胸が熱くなります。
旅の終わりか、始まりか。そんな問いさえ、風景の中に溶けていくようです。





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